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公開シンポジウム「震災から復興へ-東北の海は今!-」
2014年 10月 10日(金)東海大学校友会館にて、東北マリンサイエンス拠点形成事業の公開シンポジウムが開催されました。
「震災から復興へ―東北の海は今!
―
」と題し、東北地方太平洋沖地震の発生から3年半が過ぎた現在、東北沿岸と沖合の海がどうなっているか、報告や提言があり、ディスカッションも行われました。
基調講演としてお越しいただいた宮城県女川町の須田町長からは、「死者・行方不明者の
人口に対する
割合」
で最も被害の大きかった市町村が女川町であること、次いで岩手県の大槌町であること、その両町を拠点として東北大や東大が調査研究を行っている事を、心強く感じているとのお言葉を頂きました。
女川町では、町から海が見えないような防潮堤は作らない事を決定しており、1000年に一度の災害であるならば、1000年に一度の町づくりができる機会であると捉えているそうです。子どもや孫たちの生きる後世に「あの時にしっかり町づくりをしてくれたんだ」と思われるような町にしなければならない、とお話しされました。
河村 知彦 教授(東京大学大気海洋研究所・国際沿岸海洋研究センター)からは、「生態系の遷移」について報告がありました。地震と津波の影響は、その場所(河口、湾奥・湾の側面や湾口の形など)や生態系(海藻藻場・海草藻場・砂浜・干潟など)、動植物の種類によっても様々に異なることがわかってきており「現在はその回復過程にあるので、人間はできるだけそのじゃまをしないように」という提言がありました。
続く吾妻 行雄 教授(東北大学大学院農学研究科)からは「藻場とウニ」について、2011年に大量に生まれたウニが、アラメを食べつくすほど増えていると報告がありました。このままでは藻場がさらに縮小し藻場に生きる生物たちの減少も考えられるため、ウニを除去(間引き)し
品質を向上させて早期に
出荷することが必要との提言もありました。
藤倉 克則 氏(海洋研究開発機構上席研究員)からは「震災後の海洋生態系のデータを復興に生かすために」、といった視点から報告がありました。「ハビタットマップ」という、地図上にデータを記して「生態系が見える」ように「可視化」するマッピングの
紹介が行われ、この調査による遺産を後世に残すことの重要性について提言がありました。
科学ジャーナリストの瀧澤美奈子氏をモデレーターに、3 機関の代表者と、井ノ口伸幸氏(岩手県水産技術センター前所長)、文部科学省
海洋地球課
の清浦 隆 課長を交えたパネルディスカッションも行われ、沿岸の工事が広がり、人為的被害や人間活動が海洋に及ぼす影響も心配されるようになった現在から、短期・中長期的な視点で行っていくべきことが議論されました。
客観的事実を提供すると共に、実際の成功事例を作って示し、政策を提言できるようにしていくこと、また国連の世界防災会議に向けて世界にも情報発信が必要であること、より漁業者との対話を深めていくこと。
たくさんの課題が挙げられましたが、事業の開始からも3年が経ち、昨年・一昨年ではわからなかったことが見えてきていることを感じました。研究の成果が、漁業者や生活者にとって持続可能な生活を手にしていくための「具体的な成果」となるように、プロジェクトを継続してまいりたいと思います。(寿)
記入者:
メーユ
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