東日本大震災から7年になる3月11日(日)、東京都東久留米市で「忘れまいその日コンサート & 大小島 真木 作品展覧会」がありました。東久留米の有志で始まったコンサートは第6回になるそうです。 今回は、岩手県大槌町に再建された大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター(以下:沿岸センター)に、東久留米市出身の現代アート作家・大小島真木さんが壁画を描いて下さるご縁から、沿岸センター所属の青山 潤 教授がこの催しの第3部で講演を行うことになり、またコンサートの純益を壁画制作のためにご寄付頂くことになりました。 大小島さんの展示ギャラリーは、キャンバスからはみ出して今にも動き出しそうな、生命力に満ち溢れた作品が壁にも床にも広がっていました。繊細さと力強さが一体となった筆致で、湧き出る泉のようなエネルギーが感じられます。 大槌と東久留米は“湧水”が豊富な土地で、豊かな水資源や環境を守る活動がさかんに行われていることでも共通しています。大小島さんはまさに、湧水の町が生んだ作家なのでした。 第2部では大小島さんが、大学時代に被災地で泥だしのボランティアを行った際に見たこと・感じたことや、海洋調査船タラ号のプロジェクトに参加した経験などを、作品と共にスライドでご紹介されました。最後には、大槌町の前町議会事務局長・佐々木健さんと、東久留米市川クラブ代表の荒井和男さん、本研究所の道田豊 副所長も登壇し、震災当時の話から、コミュニティの大切さ、水や環境、人のつながりをめぐるショートトークも展開されました。
第3部では、青山教授が「海と希望の学校」と題した講演で、自身のこれまでの研究から、海がワンダーランドであること、そして東北のリアス海岸にはそれぞれの特性があって、それらを明らかにし、地先の海の特性を誇りと思えるような感性を滋養していきたいこと、「行けば勇気が湧いてくる」というような場所作りを目指したいとお話ししました。今後は、大槌町を拠点とする沿岸センターと、釜石市を拠点に活動を続けてきた東大社会科学研究所、三陸の町の人々と共同で「海と希望の学校」プロジェクトも始まります。 続いて上映された映画「再生」は、富士山・河口湖畔の町を舞台としていますが、妻に先立たれた男性と、福島で被災し親兄弟や住む家を失った少年、二人の再生を描いたもので、じんわりと胸に迫る作品でした。
順番が逆になってしまいましたが、第1部のコンサートでは、児童合唱団そよかぜの澄んだ歌声や、ピアノと管弦楽・声楽の音楽家たちの美しい調べ、また、福島市を中心に都内でも活動しているモアレ・サクソフォン・アンサンブルが春の歌をメドレーで披露して下さるなど、素晴らしい演奏や歌を楽しむことができました。最後には「ひょっこりひょうたん島」を会場の全員で歌い、参加者が一体となった気がします。
このようなコンサートをご準備下さった方々、沿岸センターや、東北、大槌町の活動をご紹介・ご支援くださった皆様に感謝いたします。今後ともよろしくお願いいたします。 また、大小島さんの展示会は、東久留米市の成美教育文化会館で13日(火)14日(水)も開催しています。(S.) |