10月24日(金)25日(土)、東京大学柏キャンパスの一般公開が開催され、大気海洋研究所では「柏の海で学ぼう遊ぼう!」をテーマに展示や講演、体験企画などが行われました。
プロジェグランメーユと国際沿岸海洋研究センターもポスターや標本を展示し、プロジェクトや研究テーマの紹介と進捗、生き物の紹介などを行いましたが、たくさんの方々がご覧くださり、さまざまな質問や叱咤激励のお言葉も頂きました。
本研究所の一般公開では毎年クイズラリーを企画していますが、私たちのコーナーでもクイズを設けました。クイズに挑戦する多くの子どもたちや学生さんがいらして、生き物への興味関心を示してくださったことはとても嬉しいことでした。 大人も本気でクイズに挑戦されていたり、三陸や東北一帯の現在の様子を心配されながら、海洋生態系の調査研究について熱心にお話しを聞いて下さいました。 今年は本研究所の開所以来、最多の入場者数で、幅広い年代の方が見られたように思います。
25日(土)の講演会では、プロジェクトの参画者でもある清家弘治 助教(底生生物分野・PGM研究テーマ2:地震・津波による生態系攪乱とその後の回復過程に関する研究)が「2011年の大津波から3年:三陸の海底生態系の現状について」をテーマに講演を行いました。 大津波によって海底の地形も変化し環境を大きく変えたけれども、そこに棲む生き物はどうなったのか。潜水調査を重ねた観察結果から、影響や回復過程を紹介する内容でした。 わかったのは、同じ場所(一つの湾)でも、生物によって挙動が異なるということ。 津波前にはいたのに、すっかりいなくなってしまった生物もいれば、一度いなくなったが戻ってきたもの、あるいは津波前にはいなかったのに現れた生き物とさまざまであり、回復過程は複雑であるということです。 「ゴカイ」などの海底の泥の中にひそむ大きな生き物は、掘ってつかまえようとしても逃げてしまうのでなかなか姿を見ることはできないが、ゴカイがいる場所にはモンブランのような大きな糞があることから存在がわかるなど、面白い話もありました。 キャンパス周辺地域の方々の東北への関心や研究に対する期待を感じ、それに応えていけるように、そして地域の方々とさらに交流を深めていけるよう、より開かれた研究所になっていくことが必要だと感じました。 ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。(寿) |