陸から海へは川を通して栄養分や淡水などが運ばれています。陸⇒川⇒海へと運ばれた栄養分が豊かな生態系を育む様は、森が海をつくるとも比喩されます。これは里海の重要な概念の一つです。大槌湾にも三つの主要な河川が注いでいます。
このように直接川から入る栄養の他に、川の水が海をかき混ぜる効果も沿岸の生態系にとって重要です。川の水は海の水に比べて塩分が小さいので、その分軽いのです。空にも低気圧と高気圧があって空気がかき混ざるように、海でも性質の違う水がぶつかると大きくかき混ざるのです。かき混ぜられた水とともに、海の下層に溜まっていた栄養分が光の当たる浅い場所に運ばれるので、生物が利用できるようになります。
みなさんも海に注ぐ川を見たら想像してみて下さい。上からも下からも来る栄養分で、里海の生き物が喜ぶ様を。(Y.H.)