研究題目東日本大震災が三陸のアユ個体群へ及ぼした影響と,その後の個体群回復過程に関する研究

調査地釜石市鵜住居川および大船渡市盛川

テーマ番号(各班の番号)2

研究実施者(氏名・所属)川上達也(東京大学農学生命科学研究科)・武島弘彦(総合地球環境学研究所)・大竹二雄(東京大学農学生命科学研究科)

キーワードアユ,耳石,日齢解析,元素分析,集団遺伝,回遊生態,資源変動

研究内容(目的・方法)
東日本大震災時に発生した津波や地盤沈下により,アユが仔稚魚期を過ごす河口域・沿岸域の環境が大きく撹乱されました.このような撹乱はアユ稚魚の減耗を引き起こし、その影響は世代を通じてアユの産卵期や成長,回遊パターン,遺伝的多様性といった個体群の特徴を大きく変化させていくこと,そしてそれがアユ資源の減少につながっていくことが予想されます。この研究では,アユの耳石を用いて日齢解析や元素分析をおこない回遊生態を明らかにするとともに,集団遺伝学的な解析をおこなうことで,三陸のアユ個体群が津波により受けた影響と,その後の回復過程を明らかにすることを目的としています。

参考文献

  • Hata, M, Kawakami T, Otake T (2016) Immediate impact of the tsunami associated with the 2011 Great East Japan Earthquake on the Plecoglossus altivelis altivelis population from the Sanriku coast of northern Japan. Environmental Biology of Fishes. 99: 527–538.