研究題目三陸沿岸域における秋サケ加工業の変化〜分業化によるフィレー加工への集中化〜
調査地塩釜市、石巻市、女川町、南三陸町、陸前高田市、大船渡市、釜石市、山田町、宮古市、久慈市テーマ番号(各班の番号)2研究実施者(氏名・所属)清水幾太郎(北海道区水産研究所さけます資源部)キーワード三陸沿岸域、秋サケ、加工業、分業化、フィレー加工研究内容(目的・方法)東日本大震災によって三陸沿岸域の秋サケ産業は甚大な被害を受けましたが、秋になれば必ず浜にサケが戻ってくることが復興のモチベーションの一つになりました。震災後から三陸沿岸域の秋サケ加工現場で流通状況の聞き取りを続けてきた結果、秋サケ加工業に原料加工と製品加工の分業化が進んでいることが明らかになりました。原料加工の加工場では水揚げされた秋サケを原料にしてフィレーを生産します。製品加工の加工場ではフィレーを原料にしてニーズに合わせて最終製品を生産します。これはサケマス類に対する消費者ニーズの変化が加工形態に影響を与え、リスクを回避するために分業化が進んできた結果と考えられます。秋サケ加工業の分業化は限られた秋サケ資源を有効活用するための知恵であり、三陸復興の鍵を握っていると思います。
参考文献
清水幾太郎(2014)、三陸沿岸域における秋サケ加工業の変化〜分業化によるフィレー加工への集中化〜、漁業と漁協、620号、pp. 28-31。