生命のアーキペラゴ
生命のアーキペラゴ
海・生命のスープ、この場所はいろんな生き物たちの生死が繰り返され溶けている。
私たちの吸う酸素の半分は海の中のプランクトンが、もう半分は森が作っている。
私たちの身体の中にも自然が存在する。
私たちは世界のほんの一部。
何千、何万もの生き物たちによって私たちの身体は作られ、宇宙はこの身体の中にも存在している。そして地球もまた、宇宙の細胞なのかもしれない。
アーキペラゴ、多数の島からなる海域。
島はそれぞれ特有の意識を持ちながら、海の中を共有している。
多様性の生み出される場所。
大小島真木
国際沿岸海洋研究センターが大槌町の高台へと引っ越した2018年、現代画家の大小島真木さんが、センターのエントランスの天井に絵を描いてくださいました。その名も「生命のアーキペラゴ」。下の写真が「生命のアーキペラゴ」の全体象です。この作品には、大槌の海にいる様々な生物が登場しており、写真の中の生物をクリックすると、その生物の説明を見ることができます。また、センターでは、平日9時~17時まで「生命のアーキペラゴ」を無料で公開しています。ちょっとした休憩スペースやトイレもございますので、ぜひ、センターにお立ち寄りいただき、天井に描かれた「生命のアーキペラゴ」を生で見てみてください。
ジンベエザメ
Rhincodon typus
最大全長14ｍ、体重30tになる現生最大の魚類。サメとはいっても、食べているのはプランクトンや小魚で、性格は温厚。人が接近しても危険は少ないことが知られています。世界中の熱帯・亜熱帯・温帯の表層に広く分布するといわれています。沖縄県の美ら海水族館と協力して、小型の記録装置を取り付けるバイオロギング手法で、潜水遊泳行動と体温を測定しました。驚くことにジンベエザメは外洋で深度1000ｍを超える潜水を何度か行っていました。なぜそのような潜水を行うのか、その理由はよく分からないのですが、他の体サイズが小さな魚に比べ、潜水中の体温低下は緩やかでした。ジンベエザメは体が大きいおかげで体温が冷えにくいという特性を活かして、深くて冷たい深海にまで潜ることができているようです。写真提供：Chris Rohner(1枚目) Simon J. Pierce(2枚目)