生命のアーキペラゴ
生命のアーキペラゴ
海・生命のスープ、この場所はいろんな生き物たちの生死が繰り返され溶けている。
私たちの吸う酸素の半分は海の中のプランクトンが、もう半分は森が作っている。
私たちの身体の中にも自然が存在する。
私たちは世界のほんの一部。
何千、何万もの生き物たちによって私たちの身体は作られ、宇宙はこの身体の中にも存在している。そして地球もまた、宇宙の細胞なのかもしれない。
アーキペラゴ、多数の島からなる海域。
島はそれぞれ特有の意識を持ちながら、海の中を共有している。
多様性の生み出される場所。
大小島真木
国際沿岸海洋研究センターが大槌町の高台へと引っ越した2018年、現代画家の大小島真木さんが、センターのエントランスの天井に絵を描いてくださいました。その名も「生命のアーキペラゴ」。下の写真が「生命のアーキペラゴ」の全体象です。この作品には、大槌の海にいる様々な生物が登場しており、写真の中の生物をクリックすると、その生物の説明を見ることができます。また、センターでは、平日9時~17時まで「生命のアーキペラゴ」を無料で公開しています。ちょっとした休憩スペースやトイレもございますので、ぜひ、センターにお立ち寄りいただき、天井に描かれた「生命のアーキペラゴ」を生で見てみてください。
渦鞭毛藻 プロトペリディニウムのなかま
Protoperidinium sp.
渦鞭毛藻は代表的な植物プランクトンで、2500種以上が知られています。なのですが、実は光合成をしない種も多く、光合成もするが餌も食べるといったことも観察され、純粋に光合成だけで生きている種は少ないという人もいます。この絵にあるプロトペリディニウムでは260種以上が記載されていますが、すべて光合成はしません。したがって動物か植物かと言えば、動物になります。セルロースの殻でおおわれているため、餌を食べるためにはパリウムと呼ばれる膜を出して餌を包み込み消化します。渦鞭毛藻は赤潮の原因種であったり、アレキサンドリウムやディノフィシスのように毒をもっていて、それを食べたカキやホタテが有毒化する原因となったりします。写真提供：岩滝光儀