広田湾における流況観測
目的
広田湾では,震災前から,貝類養殖生産が減少傾向にあり,震災後の漁場永続利用のための流況調査が期待されています。特に,以下のような点で,流況データが必要とされています。
- 漁業権切り替え前の船通りの選定
- 貝類の餌環境の競合から,気仙川の流れの変化を知りたい
- 貝類 (イシカゲ ・ ホヤ ・ ホタテ ・ カキ) の採苗器投入場所の選定
- 筏の無機の設定
観測内容と実施機関
本観測では,湾奥の気仙川河口から脇ノ沢 · 小友町へかけての海域に焦点をあてて,可搬式 ADCP (超音波ドップラー多層流速計) · CTDO (水温 · 塩分 · 溶存酸素等) 観測を実施します。
実施機関は以下の通りです。
- 東京大学大気海洋研究所
- 岩手県水産技術センター
- 岩手県沿岸広域振興局水産部
- 広田湾漁業協同組合
- 陸前高田市水産課
観測の特徴
広田湾における流况を三次元的に本格的に測流するのは,震災後のみならず,震災前も含めて,本プロジェクトが最初です (広田湾では過去にも大規模な調査が有りましたが,三次元測流は本プロジェクトが初めてです)。
特に水深の深いところでの流況の実態は,経験豊富な地元の漁師の方達でもなかなか把握することが難しいものですが,本観測で行う直接測流は,そうした点で大きな力を発揮できます。
これまでの実施日
- 2013 年 5 月 28、29 日
- 2013 年 3 月 7、8 日
- 2012 年 9 月 5、6 日
これまでに得られた知見
- 水平スケール数百メートルの規模で,流れに顕著な変動が見られました。
- 水深数メートルくらいを境に,上層と下層で流れが逆向きとなっている海域が多数ありました。
打ち合わせ及び観測風景
詳しくは
写真集の「観測風景」をご覧ください。
本観測に関するお問い合わせはテーマ5代表、田中潔(
ktanaka@aori.u-tokyo.ac.jp)まで。