はじめに
大槌沿岸センターの位置する三陸沿岸域は、親潮と黒潮の混合水域が形成され、生物生産性と多様性の高い海域として世界的にもよく知られており、沿岸海洋研究に有利な立地条件を備えています。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震およびそれに伴う津波によって、沿岸海洋生態系に大きな擾乱がもたらされました。当センターでは、これまでの40年以上にわたって蓄積してきた共同利用研究の成果とともに、地震・津波による海洋環境や生態系の変化に関する研究成果を世界に向けて発信するとともに、沿岸海洋研究の国際ネットワークの中核を担うことを目指しています。また、これまで以上に地域と密接な関係を構築することによって、科学により希望を育む活動に精力的に取り組みます。
2018年2月に、現在と同じ赤浜地区内の宅地予定地に隣接する場所に研究棟と宿泊棟が再建されました。2019年3月、旧敷地内に水槽実験施設が再建され、2021年4月に研究成果の発信と交流を目的とした展示資料館「海の勉強室」が開設されました。